2008年 02月 07日
心 そして心 |
写真をいっしょに撮ろうって誘ったら
客家のちょっと年のいったお姉さんが喜んでしまい
家の中から古い蓑と笠を持ち出してきて
これを着て写真におさまりなさいとのこと
それは亡くなったご主人が昔使っていた農作業の道具でした
彼女は71歳
とても若か若しくこの古い家を取り仕切っているようです
ここは美濃 高雄からだいぶ山に入った場所
200年前に祖先がこの地にやってきたとのことで
22代の当主が居るのだそうです
喜んだ71歳のお姉さんはまた家の案内や
祖先の家系図などを持ち出してきて
大はしゃぎです
独特の客家の家の祖先の間には
初代からの系譜が金泥文字で書かれた
大きな黒い位牌みたいな物が奉ってあります
全部男子の名前しかありません
これけしからんよと言うとキョトンとした顔をされてしまいました
偶然居合わせていた大仁科学技術大学の呉教授が
通訳をしてくれます
娘さたちと一緒で長女はこの4月から京都の大学に留学するのだとのこと
時間の過ぎるのも忘れて話が続きます
私たちの運転手は言葉が通じませんから
ニコニコしながら見守っているだけです
3日間ずっと同じ運転手と車です
団体旅行に申し込んだはずなのですが
完全にハイヤーを貸しきった2人旅
南部は台北より6-9度気温が高く
風邪気など吹っ飛んでしまいました
避寒の旅行です
帰りは観光号で雨の冷たい台北に帰ってきました
素晴らしかった高雄の夜も
墾丁のホテルも
色んな思いが浮かび上がってきます
行き行く列車から見ると どこを見ても関帝廟が建っています
町の中、村の中、田んぼのなか
山の上にも、海岸の海辺にも
台湾の心のシンボルなのです
少し台湾の人の心がわかったような気がしてきました
天
色んな神様が居ます
でもそれは天の元にある従者に過ぎないのです
天それは絶対の存在です
ユダヤ・キリストの絶対の神とは違うものです
ユダヤ・キリストの神は人間と契約をする神です
あのタルムードに書かれている生活のしきたりの一つ一つが
神との契約
台湾の人々の心には契約の思想はないと見ました
ただひたすらひれ伏すだけ
天と契約を結ぶなどとは大それたことなのです
天にすべてを任せる生き方です
天佑 天啓
嵐が来て災害が起きれば
それは自分たちの所業が悪いからだと
ひたすら許しを乞い高い廟宮を差し上げるのです
廟が壊れればまた それは自分たちが悪いのだと
へへーとかしこまり
またせっせせっせと新しい廟を建立していくのです
ひざまずき熱心にお祈りの言葉を唱えているその顔には
人間の傲岸さなどひとかけらもありません
日本人がなくしてしまった根底を見た気がしたのです
夕闇迫るころには 大晦日ですから
車窓から花火がいたるところで上がっているのが見えます
たくさんの人たちとの出会い
教えてもらった心 そして心
今日からお正月
今日もスマイル
by kawazukiyoshi
| 2008-02-07 10:09
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Comments(1)
Commented
by
neko_pen at 2008-02-10 10:58
ここで読ませていただくことの中から、未知の文化を垣間見、
すっかり信仰心や、敬う神仏を見失った日本人を(自分も含めて)
思います。それでいて、初詣には真剣に手を合わせ、自分ばかり
でなく、世界の平和までを、少しのお賽銭で願う、欲張りな私^^
純粋な信じる心を読みとらせていただき、ちょっぴり反省です。
すっかり信仰心や、敬う神仏を見失った日本人を(自分も含めて)
思います。それでいて、初詣には真剣に手を合わせ、自分ばかり
でなく、世界の平和までを、少しのお賽銭で願う、欲張りな私^^
純粋な信じる心を読みとらせていただき、ちょっぴり反省です。
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