2007年 05月 02日
拉致 |
受けた苦しみをだけ生きがいにして
加害者を罰しようとする雰囲気が
日本にはこれほど強く根付いていたのでしょうか
確かにあだ討ちなどといえば日本人の根底に
植え付けられた武士の生き方のひとつだったかもしれません
赤穂浪士の物語も曽我兄弟の物語も
その精神構造に組み込まれたものだった見れます
ただ、当時の権力はこれらを持ち上げていないのですね
いろいろな力関係の上での処置だったのでしょう
権力のいやらしさが見え隠れするものでした
だからこそ庶民の間に愛されてきた筋があると思います
今の拉致被害者の立場はこれと違って
権力は宣伝に利用しているようです
被害者が強力な制裁を科せと声高に言うことに
同情を過多に拡大利用をしているように見えます
経済封鎖を始めたくさんの制裁を加えるとき
悲惨な状況をモット悲惨にしてしまう想像は
恨みの中には入り込まないものでしょうね
受けた恨みのためにはどんな状況を作り出さしても
懲らしめたいという心に
私はどこかついていけないところがあります
金正日がどんな顔をしてもその独裁制と残忍性を
覆い隠すことは出来ないと認識しています
王制にしろ独裁制にしろそれらは人間の差別を根底に
成り立っているのですから
それらが生み出すものすごい非人間的な日常の
悲惨さを深く考える必要があると思っています
その暴力に多くの人々が苦しんでいると思います
それに加えて日本人が国を挙げて苦しみを与えることに
私個人は恥ずかしい気になってしまうのです
国際援助は国益のためだというどこかの聞いたような論に
組するはずがないのですが
今までの国際援助の概念を変えていく必要があるように思っています
電気のないところに工場だけをつくなんてことしか考えられなかった
人々には困惑を与えるかもしれませんね
援助をすれば金体制を助けることになるって言われるのは
分かっているのですが
そこに苦しんでいる悲惨な人々のことは消えてしまっていい
とは考えられないのです
被害者の心は察して余りあるものがあります
だけどあの代表の娘が娘がというお話には
正直言って素直に受け入れがたいのです
もし私の子達が拉致されていたとすればどうするか
考え方もやり方も人によって違うのは当然ですから
一概には言えません
ただ私はこの解決の方法はとらないだろうと思っています
金正日とその体制そのものが問題なのであって
あの国の6割7割の人々はその被害者ではないかと思うのです
苦しんでいる人々を援助し平和な方向に働けないものか
そんな考え方は異端として排除される風潮に戸惑うばかりです
ずいぶん前にも書きました
恨みを断ち切らなければ新たな悲しみを作り出すだけでしょう
一番近い国はあまりにも知らなさ過ぎます
そして日本人に限らず多くの人は
たくさんの方法を持っていると信じています
私に何が出来るのかなー
by kawazukiyoshi
| 2007-05-02 06:34
|
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Comments(3)
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nyankai at 2007-05-02 10:30
読ませていただきました。そして、あっ、と思いました。
何となく漠然と困惑を感じていたくせに、当事者じゃないからきっと真剣になれないのだろうと思い込もうとしていました。今の「制裁を!」という状態には、正直ハラハラします。犯罪として、筋を通した捜査をするよう働きかけるほうが、ずっと良いと思います。
ただあの時(首相が行った時)、たぶん両者で「これで解決ってことで・・・」と手を打ってしまったのだと、そのいい加減さには憤りを感じます。
何となく漠然と困惑を感じていたくせに、当事者じゃないからきっと真剣になれないのだろうと思い込もうとしていました。今の「制裁を!」という状態には、正直ハラハラします。犯罪として、筋を通した捜査をするよう働きかけるほうが、ずっと良いと思います。
ただあの時(首相が行った時)、たぶん両者で「これで解決ってことで・・・」と手を打ってしまったのだと、そのいい加減さには憤りを感じます。
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megumin321 at 2007-05-03 09:22
一番大切なもの・・ 目には目を・・ 歯には歯を・・ この思いはわかります・・当事者であれば・・ 一番は・・国家の中枢・・ でも・・その後ろには・・なんの責任もない・・一般の国民が・・います・・ 今・・食べられない・・ 生活できない・・そして・・・もちろん・・拉致被害者・・本人も・・ ご家族も・・・ 計り知れない・・たくさんの問題・・ どう・・対処したらいいのか・・・ ・・・ もし・・自分だったら・・・??・・って・・・ 今の私に何ができるのかなーー・・
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syumitetu at 2007-05-04 02:14
コンバンワ! アクトモです。
「拉致」! ずっしりと重いですね。
>被害者の心は察して余りあるものがあります
>だけどあの代表の娘が娘がというお話には
>正直言って素直に受け入れがたいのです
同感です。同時に私はかつての日本に思いを馳せました。先生とは若干フォーカスがずれますが。
全く同じ「拉致」という行為を、「大日本(ニッポン)帝国」が朝鮮半島の住民と、中国東北部の「満州国」に代表される日本の植民地だった地域の住民に対して、公に「当たり前のこと」として行なったことは忘れられていいことではないと思っています。
いくら戦争状態だったとはいえ、やったことは「拉致」そのものだった。だから国際的な裁判で裁かれたんでしょ? もちろん原爆投下も同じことです。
ともあれ、強盗は自分のしたことを正当化したり忘れたりすることは自由にできますが、強盗に入られ暴行を受けた人は生涯そのことを忘れることはできないでしょう。それをウヤムヤにするから面倒なことになる。
ま、私はそう思いますね。
こんなことを言うと右翼に睨まれますが・・・
「拉致」! ずっしりと重いですね。
>被害者の心は察して余りあるものがあります
>だけどあの代表の娘が娘がというお話には
>正直言って素直に受け入れがたいのです
同感です。同時に私はかつての日本に思いを馳せました。先生とは若干フォーカスがずれますが。
全く同じ「拉致」という行為を、「大日本(ニッポン)帝国」が朝鮮半島の住民と、中国東北部の「満州国」に代表される日本の植民地だった地域の住民に対して、公に「当たり前のこと」として行なったことは忘れられていいことではないと思っています。
いくら戦争状態だったとはいえ、やったことは「拉致」そのものだった。だから国際的な裁判で裁かれたんでしょ? もちろん原爆投下も同じことです。
ともあれ、強盗は自分のしたことを正当化したり忘れたりすることは自由にできますが、強盗に入られ暴行を受けた人は生涯そのことを忘れることはできないでしょう。それをウヤムヤにするから面倒なことになる。
ま、私はそう思いますね。
こんなことを言うと右翼に睨まれますが・・・