生きる詩

たくさんの友情

まるで知らない国にさまよって４ヶ月

たくさんの友情に支えられてきた

知らない人にもたくさんの支援をしてもらった

日本人は情にほだされやすいという

だけど、人間そんなに変わるものじゃない

喜び合ったり、涙するのはちっとも変わりない

ちょっと落し物をしたとき、みんなで探し回ってくれたときは

どうしようと思ったことがある

落し物が出てきたとき、周りの人々は

「オー」といって一緒に喜んでくれた

私は甘ちゃんといわれる

そう言われてもちっともかまわない

人間ってどこかで繋がっているのだもの

飛行機雲

まっすぐに

窓の世界を切り取った

飛行機雲

右が西

左が東

たくさんの飛行機雲が交わったら面白いだろうなー。

澄み切った青空

無限の形が出来るだろう。

生きる

　　　振りかえり

　　　　 明日も由無く

　　　　　　ただ生くのみか

幼き子

友の子供の誕生日に呼ばれた

５歳になる女の子は愛くるしい顔で

私にもキスしてくれた

遠く故国を離れてすんでいる友

どんな苦労があるのか察しは出来る

夫婦で働いてこの地に根を伸ばそうとしている

EVA がどのように生きるのか、

私には分からない

お祝いにあげた犬のぬいぐるみを離さない

あどけない天使

おどろき

小さな発見しかできない

その小さな発見に

喜びをこめた驚きがある

美しさを感じるとき

又、喜びをこめた驚きがある

路傍にひっそりと咲いている

名も知れぬ花の美しさを見つけたとき

又、喜びをこめた驚きがある

今日、見つけた、数式は美しいと思う

それで何かが変わるものではないのに

春

オーストラリアのシッドニーはいま春

日本の四季の花が

いっぺんに咲くような感じだ

春の風は確かに違う

どこか眠りを誘う穏やかさがある

春の祭典をするほど

にぎやかではないが

信仰

どれほどの労力と財をつぎ込んだことだろう

天井高く、見えもしない高いところまで芸術も技術も

一切を寄せ集めて作ったこのカテドラル

ステンドグラスに折りこめられた寓話

作られた神話の上塗りの上に

それほどにも人間は何かに頼りたいのか

何派、国教会、プロテスタント、カソリック

何でもいいのだ

シナゴーグでもモスクでもお寺でもパルテノンでも

そんなものを信じて何が出来たというのか

逆説的に、そんなものがなかったらもっと悲惨になっていただろうか

それらに反発したから進歩が生まれたのだろうか

なぜ本来の人間を基本にしないのか

基本になる人間がいないからだ

中国にも、タイにも過去

それらしきものを求めて苦しんだ人がいる

でも歴史上大きな基本になることを説いた人はいない

人間の持っている尊厳を自分によいようにしか語らなかった

ソクラテスでも奴隷の社会に生きていた

奴隷を人間として考えたかどうか知らない

ただ、何かを説けば、すぐに形式に陥ってしまう

形式が一人歩きしてしまう

考えもしな途方な方向に走り出してしまう

それを頼りにしてしまう

そして大きな悲劇をも引き出してしまう

それが人間そのものなのかもしれない

そんなことに生きがいを感じるのも人間

悲嘆にくれるのも人間

同じ人間はいない

私はそんな人間が好きで、又嫌いである

只、いとおしいと思っているのは本当だろう

私には分からない、まだ

人魚

あっ、人魚だ

長い亜麻色の髪を揺らせながら

手を伸ばして

後ろのひれを動かしながら

まっすぐ泳いでいる

手を腰に当てて上がっていく

そして岩の上に登って行った

右手で体を支えながら

左手で髪を掻き揚げた

こぼれる水玉は銀のしずく

月夜の海を遠く見入っている

あどけなさが残っているような優しい顔

何を思っているのだろうか

遠い日の思い出

眠り

深い眠りから覚めた

泥のように眠っていた

カーテンを開けば

抜けるような青空

この世にあるすべてのものに

私を生かせてくれることに感謝

一瞬

あっという時がある

一瞬のことだ

分からなかった事が突然

頭の中でひらめく

なんとすばらしい気分だろう

何度味わってもその快感は新しい喜びをもたらす

たった少しの真理かもしれない

それを見つけ出したとき

私の胸は震える

この高鳴りを

誰に告げよう